甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 後から考えれば、俺はなんて馬鹿な事をしたんだろうと思うけど。

 でもそのおかげで、空音をオカルト同好会に勧誘する口実ができたんだ。

『霊が視えるんですかっ? それってすごいじゃないですか!』

『……そう、かな。怖くないの?』

『怖くなんてありません! 私、オカルト的なもの好きで……なので、霊が視えるって人に会えて良かったです!』

 ……あぁきっと、この子は綺麗な心の持ち主なんだろう。

 直感で、そう感じた。

 もうこの時には既に、恋に落ちていたんじゃないかって思う。

 その後もいろんな話を交わして、最終的に俺は空音をオカルト同好会に誘った。

『えっ!? いいんですかっ!?』

 跳ねるくらい喜んでくれた空音が、未だ脳裏に焼き付いている。

 本当にこの時、俺は誘って良かったと思っている。

 だってそうじゃないと……空音と仲良くなれる事なんてなかったから。

 俺に光をくれたのは、間違いなく空音だったから。

 ――絶対に、離したくなかった。



 今回強引に誘ったのも、空音と二人きりでオカルトを共有したかったから。