高校に上がってからは大分減ったけど、中学時代のクラスメイトも一緒に入学してきている。

 つまり……事あるごとにいじられる事があった。

 あっちはふざけてしているんだろうが、こっちにしたら心に来るものばかり。

 ……そのせいで、しんどかった。

 自分自身では何もできないし、元々の性格で何も言えない。

 同時に、そんな自分の性格が嫌だった。

『……あの、大丈夫ですか?』

 そう項垂れていた時に出会ったのが、空音だった。

 放課後の裏庭にどうして新入生が居るんだろうと思っていたけど、その時はそこまで頭が回らなかった。

 ……そして、弱音を零してしまった。

『ねぇ……少しだけ、話聞いてくれない?』

『お話、ですか? いいですよっ。』

 きょとん顔を浮かべていた空音だったけど、すぐ承諾を返してくれた。

 俺はそんな空音に甘えて、自分の辛さを吐き出してしまったんだ。

 引かれるかもしれない、気味悪がられるかもしれない。

 そんな不安を抱くほど、余裕が残っていなかった。