いきなり引き寄せられて、耳元でそう囁かれる。

 何が起きているのか私には分からなくて、瞬きを何度もしてしまう。

「ふうま、くん……?」

「何?」

「私……可愛くなんか、ないよ……?」

 可愛いって思う要素、ないよ?

 抱きしめられたまま、体温が上がっていく。

 そんな中で頑張ってそう言ったのに、風真君はあっさりと断ち切った。

「……何言ってるの。空音はこの世で一番可愛いんだから。」

「はへっ……?」

 ついに私は、風真君の言葉でキャパオーバーになってしまった。