甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 ……そういえば、男らしい風真君を見るのは初めてかもしれない。

 初めて出会った時、風真君は今よりももっと頼りなかった印象があった。

『俺は人とは違うからさ。』

 そう言って、弱気な一面が多かったなぁ……。

 それを踏まえて考えてみると、風真君も成長したんだなって……親目線で感慨深くなってしまう。

 ……でもここは都市伝説スポット。

 あんまり悠長にも、できなかった。

 ――ガシャンッ

「うぇっ!?」

 い、今後ろから音が……。

 トンネルでは聞かないような、何かが落ちるような……。

 や、やっぱり何かいるんだここっ……!

「風真君! さっきガシャンッて音が……!」

「あー……もしかしたら、元々このトンネルにあった何かしらの部品が落ちたかもね。大丈夫だよ空音、今は全然霊の気配は感じないから。」

「そ、それでももしかしたら何かがいるかもっ……!」

「まぁ、居るだろうね。」

 ううっ、こういうの本当に無理なのに……。

 というかあっさりと風真君答えたけど、本当は「何も居ない」って答えてほしかった!