甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 みんなはオカルトが好きでこの同好会に入っている。

 私だって、その気持ちは嘘じゃない。

 でも同好会って言ったら、こういう体験だってあるのは分かってたはずだ。

 自分で選んだ道なのに、わがまま言っちゃダメなのは分かってる。

 分かってる、けど……。

「絶対守ってね、風真君っ!」

「ふふ、元よりそのつもりだから安心して。」

 上品な仕草で微笑んだ風真君は、もう一度私の頭を撫でてくれ。

「もうそろそろで十時になるから、入ってみようか。」

「……う、うん。」

 好奇心に満ちたような瞳で、トンネルのほうを見ていた。

 私も覚悟を決める時だと悟り、自分に喝を入れる。

 だけどその時、風真君が私のほうに手を差し出してくれた。

 ……これは?

 はてなを浮かべた私に、風真君は少し急かすようにこう口にする。

「空音、俺の手握ってて。そうすれば、少しは安心でしょ?」

「わ、分かったっ!」

 そういう事だったのかと納得しつつ、恐る恐る風真君の手に自分の手を重ねる。

 その途端、風真君のほうからぎゅっと握られた。