そこに行くまでの道は並木道が多く、今では桜が見物だ。
案の定今もたくさんの桜を見る事ができて、これから都市伝説を確かめに行くのに私は完全に浮かれていた。
「そういえば、今年は桜散るの早いらしいね。何か少し寂しいな……。」
「空音は桜、好きなの?」
「うんっ。桜ってね、すっごく綺麗で儚くて素敵なものだから。私の苗字の読み方も“さくら”だし、私が桜を好きになるのは必然なのかなってたまに考えたりするんだ。」
「へぇ、ロマンチックだね。」
……ロマンチック、かぁ。
意外だった。そう言われるのは。
考え方が大人っぽいって言われる事はよくあったけど、そう言われた事はなかったなぁ……。
「ありがと、風真君。」
「ううん、どういたしまして。」
私と風真君の間に、沈黙が流れる。
でも居心地が悪いわけじゃなくて、むしろ落ち着くくらい。
これから都市伝説を確かめに行くとは思えないくらい穏やかな空気感に、危うく飲まれそうになる。
あんまりのほほんとしてちゃ、もし何かあった時にすぐに対処できないだろうし……。
案の定今もたくさんの桜を見る事ができて、これから都市伝説を確かめに行くのに私は完全に浮かれていた。
「そういえば、今年は桜散るの早いらしいね。何か少し寂しいな……。」
「空音は桜、好きなの?」
「うんっ。桜ってね、すっごく綺麗で儚くて素敵なものだから。私の苗字の読み方も“さくら”だし、私が桜を好きになるのは必然なのかなってたまに考えたりするんだ。」
「へぇ、ロマンチックだね。」
……ロマンチック、かぁ。
意外だった。そう言われるのは。
考え方が大人っぽいって言われる事はよくあったけど、そう言われた事はなかったなぁ……。
「ありがと、風真君。」
「ううん、どういたしまして。」
私と風真君の間に、沈黙が流れる。
でも居心地が悪いわけじゃなくて、むしろ落ち着くくらい。
これから都市伝説を確かめに行くとは思えないくらい穏やかな空気感に、危うく飲まれそうになる。
あんまりのほほんとしてちゃ、もし何かあった時にすぐに対処できないだろうし……。

