甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 私が思っていたよりも検証項目が多くて、確認を取ると脳筋プレイ推奨してくる。

 風真君、オカルト好きなのは知ってたけど……まさか、ここまでとは。

 霊が視えるオカルト同好会会長って肩書きだけでも、多分凄い事。

 それでも風真君は霊が視える事を、家族と私以外には言っていないらしい。

 理由は分からないけど……。

「あ、空音おはよう。案外早かったね。」

「風真君に遠回しに脅されたからだよ。本当はすっごく嫌。」

「脅してなんかないよ。来てねーって言っただけで。」

 うん、確かにそれはそう。

 でもそれだけなのに、あんなに黒いオーラが電話越しでも分かるほど出ていたら脅されてると同義なんだよ。

 そして風真君の隣には、まだ眠たそうな高野先生が。

「つーかお前ら出るの早すぎだろ。この時間いつもならまだ寝てるだろ。」

「俺は毎朝ランニングしてるから慣れてるけど。」

「私は早起きが得意だから、別に何ともないです。」

 ふわ……と欠伸を零しながら、私たちに尋ねてきた先生。

 だけど正直な事を伝えたら、先生は大きく目を見開かせて驚いた。