甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

「え、ちょっとまっ……切れた。」

 三日というものはとても早く、ついに来てしまった土曜日。

 朝起きて制服も着て、行く準備をしたのにも関わらず私は風真君に思いの丈を伝えた。

 ……のに風真君がそう簡単に許してくれるはずもなく、一オクターブ低い声で脅されてしまった。

 ドタキャンしたら、怒るどころじゃ済まないよなぁ絶対……。

 今から泣きたくなりながらも、お母さんに「行ってきます。」を言ってから集合場所へと向かう。

 今回の都市伝説は午前中に検証しないといけないものばかりで、朝早くから集合がかかっている。

 それにしても、朝七時三十分集合はおかしいと思う。

 八時でも良かったんじゃないのかな、と考えるけど言うだけ無駄なのはこの三日間で痛いくらい分かった。

『風真君、集合時間の表記間違ってるよ?』

『あぁ、これ間違いじゃないよ。この時間で合ってる。』

 この集合時間の事を聞いてみれば、淡々とそう返され。

『検証項目多くない? これ、土曜日中にできるの?』

『できるかどうかじゃなくて、執念でするんだよ。』