甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

「CDとかは大丈夫なのに?」

「そう! お化け屋敷とかは私無理なの! だから今回も、私はパスした――」

「だからダメって言ってるでしょ。」

 むぅ……風真君のケチ……。

 そこまで言って私を強制連行させたいのだろうか。

 そうだとすれば、風真君は途轍もなくドSだ。間違いなく、ドSタイプだ。

「まぁでも、空音は安心したらいいよ。」

「へ?」

 安心? 何の?

 都市伝説を確かめる為に行動する事自体が、私にとっては安心できないのですが……。

 風真君の言葉の意味がよく分からず、頭の上にはてなマークを浮かべる。

 そうしていると、風真君が面白そうにクスっと微笑んだ。

「空音も知ってると思うけど、俺は霊感あるんだよ? だから俺と行動する空音は、まだ安全圏に居るってわけ。」

「えぇ~……それでもさ、怖いのは変わらない気がするんだけど……」

「だから大丈夫だって。」

 それ根拠なさすぎだよ、風真君……。

 どんな自信があって風真君がそう言ってるのかは知らないけど、私は何を言われても無理な気がする。