甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 意外と風真君って、面倒見良いタイプ……?

 そうだったら、風真君がこうやって教えてくれるのも納得だ。

 でもそんなに心配しなくてもいいのに。

「だけど私が触れるの、風真君だけだからそんな心配しなくても大丈夫だよ?」

 風真君は信頼してるからこそ、簡単に触れられるんだよ。

 風真君だから、こうして近くに居られるんだよ。

 私がそうやって思った事を言うと、何故か大きなため息を吐かれてしまった。

「はぁ……。それだよ、それ。この無自覚が……。」

 む、無自覚って……。

 私、自覚はあると思うんだけど。何の自覚かは全く分からないけど。

 変な風真君。

 今の私はただ、そう思うしかなかった。



「じゃあ早速、今週の土曜日に取材しに行こう。みんなもそれでいい?」

「さんせーい。」

「はーい。」

 ……そして話はあれよあれよと進み、結局今週早速行く事になった。

 うわぁ、逃げたい……。

 誰がどこの探索をするかもいつの間にか決められていて、私は風真君と探索する事になっていた。