甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 興味津々と言った様子で、風真君は私の持っている本を覗き込んでくる。

 私ももう少し読んでみたいから、風真君と一緒に本を覗き込んだ。

「あ、風真君これってあの駅で検証できる都市伝説じゃない?」

「確かに。来週あたりにでも行ってみようと思うから、ここもリストに入れておこうかな。」

「……やっぱり、現場に行くの?」

「もちろん。」

 ううっ、やっぱりかぁ……。

 いや、分かっていたけど、分かってはいるけどさ……嫌だぁ。

「私も?」

「うん。というか空音は次期会長だから強制参加ね。」

「えぇっ……!? 私、会長とかの柄じゃないんだけど……。」

 私じゃなくても、後二人二年はいるんだからいいのに……。

 その時、私はある事に気付いた。

 あれ? この体制って……。

「ねぇ風真君。ちょっと距離近くない?」

「……え? ……っ、マジだ。ごめん空音、嫌だった……?」

 私の指摘に、風真君が飛ぶような勢いで顔を上げる。

 何かこれ、勘違いされちゃってるよね……。

「ううん、別に嫌ってわけじゃないけど……って、何でそんな顔赤くなってるの?」