甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

「はい質問! もし許可取らなきゃいけないものとかあったらどうするんですか!」

「それは大丈夫だよ。なんせこの部活の顧問は、顔が広いからね。」

「……おい、突然話振ってくんなよな。許可くらいなら、ちゃっちゃっと取ってくるよ。」

 ……本当に、窮地かもしれない。

「それ、全員参加……?」

「ん? もちろんだけど。」

 嘘、でしょ……。

 私、現場に行くのは無理なんだけど……。

 私の質問は一刀両断されて、一人慌てる。

 もし本当に行くとして、何かあったらどうするの……。

 ……なんて、この空気感では言えなかった。

 だってみんな、目がキラキラしてるもんっ。楽しみにしてるんだもんっ。

 私だけわがままとか、言えない状況なんだもんっ……。

 私も、興味がないわけじゃない。むしろあるほう、だけど。

 お化け屋敷無理なくらいだよ? 絶叫系のアトラクションも苦手なんだよ?

 ……私、死んじゃうかもしれない。

「みんな乗り気で良かったよ。それじゃあ早速、どんな都市伝説があるか調べてみようか。」