甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 ……すると風真君は、ゆっくりとこう宣言した。

「オカルト同好会盛り上げ作戦、決行開始するよ。」

 ……へっ?

 オカルト同好会、盛り上げ作戦……?

「はいしつもーん。盛り上げ作戦って何なんですかー?」

 風真君の言葉を聞いた部員の一人が、手を挙げて質問している。

 そんな質問された風真君は、少し口角を上げて目を細めた。 

「それはね、君たちも分かってると思うよ。この部活の欠点。」

 ……それだけで、何となく分かってしまった。

 オカルト同好会の欠点……それは。

「人数少ない事っしょ、風真ちゃん。」

「そうだよ、よく分かってるじゃん酒原。」

「でしょ。俺も思ってたんよね~、人数少なっ!って。」

 風真君と仲良い酒原先輩が、いひひと特徴的な笑い方で笑う。

 やっぱり、そうだよね……。

 同好会って肩書きがあるからか、それともオカルトに興味がない人が多いからなのか。

 多分、どっちもある。

 だからこそ毎年入部してくる人は、他の部活と比べてもとても少ないんだ。