甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 最初は自己紹介をしたり、部活内容を説明したり。

 私は去年も聞いた説明だったから、少しぼんやりしてしまっていた。

「それじゃあ、今年のオカルト同好会の方針を決めます。」

 だけどその言葉で、はっと我に返る。

 去年もオカルト同好会は、方針がすぐに決まらず困っていた。

 もしかしたら、今年も困るんじゃ……。

 私の懸念点が出てきてしまい、急いでシャキッとする。

 どうするんだろう、風真君……。

 どうしようもなく不安に駆られ、ちらっと風真君のほうを見る。

 ……でも風真君は、いたって普通の涼しい顔をしていた。

 え……? 風真君、凄く余裕がありそうだけど……。

 まさか、方針決まらなすぎて困るを通り越しちゃった……!?

 いやいや、風真君に限ってそんな事……ないよね。

「今年の、オカルト同好会の方針は……。」

 ピン、っと糸が張られたみたいに緊張が走る。きっと私だけだろうけど。

 何を言うんだろう、風真君は……。

 ぎゅっと拳を握りしめて、言葉を待つ。