ある朝。



んふふ、お布団気持ちいい〜、最高。


それに大好きなスイーツがいっぱいだ〜。



現在私、杉咲なずなは夢の中。


ふわふわで暖かい布団に包まりながら、大好物のケーキやマカロン、いろんなスイーツをもぐもぐ食べている幸せな夢。


目が覚めてしまえば、そんなものは全てなくなってしまうだなんて思いもしない。



「幸せ〜……」



──ドタドタ、ガチャッ。



「──はぁ……やっぱりか。おーい、起きろ」



ん……?



誰かの声が聞こえたような気がすると同時に、体がグラグラと左右に揺れ出す。



「く……マショマロの大群が私を襲いに……」



「マショマロの大群って……。こいつまた変な夢見てるし……。──なず! 起きないなら置いてくぞーっ」



突如、大きな声で呼ばれて、私はパチリと目が覚めた。



「ん……、あれ。マショマロたちは……? まだ1個も食べてないのに……」



まだ寝ぼけている私は周囲を見回す。


すると、1番に視界に入ってきたのは、よく見慣れた人物の立ち姿だった。