「…寮に戻って来いよ。」 「戻ってきていいの…?」 「当たり前じゃん。 みんな、待ってるんだけど。」 隼人が笑う。 みんなの事、考えてたら。 いつの間にか、涙は止まっていた。 「帰ろっかー。」 隼人が言う。 「……うん。」 ちょっとだけ、帰りたくない。 「…俺がいるじゃん。」 ――俺がいるから…。 真の言葉と重なる。 「……隼人と真って、似てる。」 思わずそう言った。 「あんな馬鹿と一緒にしないでよ。」 隼人が鼻で笑う。