「……凛?」 真が言った。 真の声で、現実に引き戻された。 「な…、何…。」 私は言った。 「大丈夫…?」 真が心配そうに聞く。 「…………。」 大丈夫。 言いたいけど、声が出ない。 「…泣いてる。」 そう言って、真が私の涙を拭いてくれた。 「ん…。」 「…落ち着いた?」 真が言った。 「…ごめん。ありがとう。」 「…おう。当たり前っ!」 そう言って、笑う真。 「…ごめん。 もう、大丈夫っ!」 私は言った。 真に抱きしめられたまま寝ていた。 …何してんだ、自分。 ゆっくり、離れた。