「なんでこんなに完成度が……」
『百合は桃にも昴にも似てるからねぇ』
高いんだ、と独り言が漏れ切る前に。
桔花の言葉が脳裏をよぎった。
桃に似てるのは、当然見た目のことを言ってるんだろう。
だったら、俺にも似てるってのはなにか。
百合はアイドルじゃない。
だけど、その辺のアイドル顔負けのパフォーマンスが出来る。
マネージャーとして俺たちを完璧に支えているにも関わらず、だ。
どうやったら高いレベルに到達できるか。
そんなの、考えるまでもない。
「どっちも。青春をかけて頑張ったんだよな」
サビに入る直前。
力強い瞳と合わさって、思わず頬が緩んだ。
いつから努力をしていたのか。
どれだけ心ごと俺たちに寄り添ってくれていたのか。
俺はなにも知らない。聞いていない。
だけど、見て、魅せられて。
ようやく、百合の懸命さを知ったから。
「ありがとう」
心からの感謝が溢れ出た。



