私は、栄養ゼリーとドリンクを買って家に帰ると、響音さんの熱は大分下がっていた。
私はほっとして、響音さんに駆け寄った。

響音さんは、すやすやと寝息を立てて、幸せそうに寝ていた。

これなら大丈夫だろうと、私が音を立てず、静かに部屋を出ようとすると、響音さんに声を掛けられてしまった。

「…おい。」
「は、はい!!」
響音さんは、起き上がると、私を手招きした。
「お前が、看病してくれたのか?」
「はい。あの、女嫌いだと知っていたのに、すみませんでした…触られるの、嫌でしたよね…」

私が謝ると、響音さんは首を振った。
「いや、お前のおかげで助かった。ありがとう。」
そう言って、響音さんは笑ったのだ。
私は、響音さんの笑顔を、初めて見た。