都市夢ーとしむー

その14/邪悪の連携


”そうだ…、あの女二人の間にはコンセンサスが敷かれている。邪悪の連携がしっかりと、したたかに成りたっている。それを前提にしないと…”

日下もイズミら同様、沢井の仮説をその都度かみ砕いていた。
さしもの現役弁護士も、”手慣れた法律”を相手にするより、よっぽど難儀な作業であった。

...


「…影山はリカに仕える決意をして、今まさに人間の能力を超えた力を持ちえる段階に入ったんだろうが、ヤツだってよう、いくら性悪とは言え実質人間をヤメるんだ。何か心に期すものがあったって不思議じゃあないさ。俺の想像するには、溺愛する後輩、寵愛を受ける上司…、少なくともその二人には迷惑を最小限に抑え、自分を犠牲にしてでも、今後の力添えになっておきたい、とな…。で、その対象二人が、藤沼葵と常務の副島になる」

「ふう…、すると、沢井。お前は、影山ジュリがJリードレンを去る際、まず副島には副社長となって失脚するようなスキャンダル排除だな。このCDデータの中に入ってる一件の…」

「そうなるな」

沢井はきっぱりだった。

...


「それで…、藤沼葵の方はなら、自分の後継へスライドできるレールを敷いておくと…。もう少し突っ込んで言えば、今般昇格した清田イズミをその座から引きずり下ろし、後輩をその穴埋めにって方向性か?」

日下は、後段ではちょっと気の毒そうな面持ちでイズミに目をやった。

「ああ、そうだと思う。その宣言を今日ここへ来る前、イズミさんへ藤沼を引き合わせての場でぶちかましたと見れるぜ。…ここで整理すれば、副島に対しては、何としてもこの原さんが所持していた証拠品一式を葬ることが必要になる。藤沼になら、イズミさんを目の前にして残酷なようだが、女性社員の出世頭となった清田イズミの排除だ」

沢井は何ともいたたまれない気持ちはあったが、イズミを前にして、敢えてはっきり告げた。

”ふう…、やっぱりめげる。何ともやるせない!”