お昼休み。 放送室までの足取りが重たいのは初めてだ。 ゆっくりと階段を登りながら、シミュレーションする。 名波先輩が先に放送室にいた場合、私の方が早かった場合… 「あっ来た来た」 「えっ」 「ヤッホー」 放送室の前で座り込んでいたのは、葉山先輩だった。 「ど、どうしたんですか?」 「いやぁ、栞ちゃん大丈夫かなって」 葉山先輩はそう言うと、「中で話そう」と放送室を指差した。