「まさか来てくれるなんて…会いたかったよ、零」


「私もだよ」


「はぁ……零の匂いだ……」

そう言って私を抱きしめている朔。


「俺、零に会えなくて死ぬかと思ったよ」


「ごめんね……ちょっと忙しくて…」


「ううん、今日会えただけでも凄く嬉しいから」


やっぱり、寂しかったのかな…


「なにか飲む?」


「じゃあ…紅茶貰ってもいい?」


「わかった、ちょっとまってて」


「…うん」

辺りを軽く見渡す。朔はタワマンに住んでおり、それもかなりの上階である。窓からの景色はとても綺麗だった。


「はい、紅茶。」


「ありがとう」

1口、啜る。


「ん、美味しい。朔の入れる紅茶はやっぱり美味しいね」


「そうでしょ?役作りのために紅茶たくさん作ったからね」


「そうなんだ…!」


あれ?なんか……頭がぼーっとする…体も熱い……



「んっ……」


「どうした?」


「なんか……身体が熱い……ような……」


「それは……大変だね」


「…………?」


朔が小さく微笑んだように見えた……ような
そのまま、私は意識を手放した。