「へー学園にこんな階段あったんだ。」


「俺はよくサボりに使ってる。」

峡為くんらしいな……。
彼に連れてこられたのは、私が見たことない階段だった。いつも思うけど大きい学園なだけあって、ほんとに屋上が遠い。


「着いたぞ。」


階段を登った先にあったのは、少し錆びれた扉だった。ドアノブに手をかける。ギィー…っと音がして、開かれていく。


「え…?ここって……。」


そう思った時には何か後ろから布を口に当てられ、抵抗する間もなく、気絶していた。