「ったく、黒淵くんも女のセンス悪いんだよ!見る目ないな〜!」


「ま、まあ春華ちゃん真面目だし優しいし……。」



実際、春華ちゃんはすごく良い子だ。

学園祭の準備の時に思ったけれど、頭は切れるし、意外と力もある。正直びっくりした。さすが特待生コース合格者…。



「やば、春華ちゃんちょー可愛い!」


「ね!メガネ外して、髪毛変えるだけであれだけ変わるんだ……。」


「しかも今日黒淵さん着物じゃん。さすが親分かっけー。」


「さすが親分。何着ても似合う。」

そんな声と人だかりが見えて、私とアキちゃんは顔を見合わせて、その集団の中心へと向かった。

そこにいたのは……。


「え……あれ、春華ちゃん!?」


アキが隣で声を上げる。

メガネを外し、お団子にされた髪。長かった前髪は切って、丸くて可愛い目が見えた。

赤い浴衣がその可愛いさを一層引き出している。


地味子と周りから呼ばれていた春華ちゃんが実は美少女だったのだ。