そのまま私は学園祭を迎えてしまった。

黒淵くんともあれから会話することはなく、黒淵くんと春華ちゃんは今年のベストカップルの有力候補とされた。



「んでアキちゃん、今年のクラ対花火大会のお題てなんなの?」


「んーー。」



夕焼け色の綺麗な着物で、かなりオシャレして、わたあめを頬張る彼女は、今日は彼氏がSSSで忙しいので彼氏と回れなくて少し拗ねていた。

まあ、私はアキちゃんと屋台回れるからラッキーかも。



「今年は、屋上からの、【相手に対しての告白】らしいよ。なんでもいーんだって。1番良かった告白をした人のクラスが優勝。」



屋上か…。うちの学園の屋上はとても広い日本庭園になっていて、学園祭最後の花火がすごく綺麗に見れる。



「柚衣。そこで告白したら?」


「え…?」


「黒淵くんに。」


「そんな…もう負けてるのにするほど私バカじゃないよ。」


ははと笑う私に「柚衣……」と少し心配そうにする彼女。