「もう、関わらないでよ…ぉ………」
関わらないで…?
「ま、まって彩奈ちゃ…!」
彩奈ちゃんは、僕の声なんか聞こえないかのようなフリをして教室を出ていった。
『関わらないで』
それは拒絶の言葉だ。
自分を守る武器であり、他人を傷つける凶器。
どうして、僕と関わりたくないの…?
「あ、彩奈さんが可哀想でしょ!!!」
「そうよ!」
「邪魔者はさっさと消えろ!!」
「うざいんだよ!!」
彩奈ちゃんと、彩奈ちゃんを追いかけた徹が居なくなり、僕に浴びせられる誹謗中傷。
僕が…っ、何したって言うのさ………、
彩奈ちゃんが泣いている理由も、自分が泣いている理由も、分からなかった。