「あ、彩奈ちゃ…っ」
「蒼斗くん…?どぉしたの……?」
「あ…いや、なんでもない……」
蒼斗が何かを言いたそうにしていたけれど、そんなの関係ない
古葉であろうと、誰であろうと、彩奈を傷つけるやつは許さねぇ。
彩奈に出会ったとき、そう決めたんだ。
「それにしても…相変わらず古葉ちゃんは倉庫に来ないし、いつ伝えるの?」
「…明日の朝、空き教室に連れて行ってそこで伝える」
「はぁい」
「蒼斗。情報流しといてくれへん?」
「あっ、わ、わかった…!」
「遥っ……、私…怖いよぉ……」
「もう大丈夫だから、な?」
「イチャイチャしないでよー!!!」
だんだんいつもの騒がしさが戻ってきた。
けれど、胸の奥のザワザワとした気持ち悪さは、静まってくれなかった。



