「叔父よ。父の弟」

 そう答えてから、事情を話した。

 両親が謎の死を遂げた直後、後見人として叔父一家がオルコット男爵家にやって来たこと。彼らは、オルコット男爵家の財産を食いつぶした挙句にさらなる借金を続けていること。そういうわけで、わたしは生活費と借金返済の為にいろいろな仕事をしていること。

「これは、間違いなくきみの叔父上の借用書だ。いまはもうきみのものだ。破き捨てるなり燃やすなりするとい」

 コリンは、辛抱強くわたしの話をきいてくれた。そして、わたしの話が終わると、借用書を手の取り、差し出してきた。