「おはようっ、おはようっ、おはようっ、おはようっ!」

 階段を降りようとしたところで、階下からクレイグが見上げている。

 とっくの昔にお昼をまわっているというのに、彼はわざと朝の挨拶をよこした。しかも四度も。

「おはようございます」

 ブスッとなるのも仕方がないわよね?

 自分でも子どもだなと思うけれど、クレイグはずっと年長だから許してくれるに違いない。

 そして、階段を降りようとして躊躇した。

 手すりにつかまれば大丈夫よね?

 意を決して手すりを握ったところで、クレイグがすぐ横に立っていることに気がついた。

 はやっ!

 いつの間に?