つくづく感心した。

 願わくば、わたしに対してもそうあって欲しいわね。

 つくづく願った。

 彼は、気恥ずかしそうに入って来ると、部屋の入口あたりからノーラにおやすみの挨拶をした。

 が、ノーラはやはり無表情のままである。

 ヘンリーは挨拶したことで満足したのか、そんな彼女の無表情さにショックを受けた風もなく、部屋から出て行った。

 ってヘンリー、わたしには挨拶なし? 一応、継母よ。

 その問いは、心の中でするにとどめた。