「ギャッ!」

 なんてこと。強面がふっ飛んでしまった。

 彼は尻尾を踏まれた猫のような悲鳴を上げつつ、宙に弧を描いてからゴミだらけの床に落ちた。

「ムリをするんじゃない」

 強面の不運を気の毒に思っていると、コリンが近づいていてわたしの肩を抱いていた。

「ドクン」

 心臓が大きく飛び跳ねたのを感じる。

 心臓発作? この年齢で?

 心臓発作って、年齢に関係ないわよね。