「なんなの、あのおばさん?」
「ダッサ! アヒル?」
「クワッ! クワッ」
「なにそれ、ウケる」

 ド派手少女たちがいっせいにこちらを振り向いたかと思うと、わたしの恰好を見て笑い始めた。

 ええ、わかっているわよ。でも、一つだけ言わせて。

 わたし、あなたたちとは七、八歳ほどしかはなれていないの。

 おばさんなんて言うなーーーーーーっ!

 わたしは大人だから、口には出さずに心の中で叫ぶにとどめておいた。

 心の叫びの中、彼女たちはつぎはわたしに絡もうと決めたみたい。

 体ごと向き直り、こちらに向いかけた。