見ていられないわ。

 あとでコリンに嫌味を言われるか、それとも叱られるかするでしょうけど、この状況を見て見ぬふりなんて出来っこない。

「イタタタ」

 勝手に体が動いたけれど、左足の鋭い痛みに悲鳴を上げそうになった。

「やめろっ!」

 そのとき、凛とした制止が耳に飛び込んできた。

 左足から顔を上げると、ノーラを守るようにして立ちはだかっている。

 ヘンリーが、である。