コリンによると、隣家はレッドメイン男爵家らしい。彼が言うには、手広く金貸し業をやっていたらしい。らしい、というのは、わたしたちの任務である葬式出席の主役だからである。つまり、故人というわけ。

 かなりお金に汚く、とてつもなく評判が悪かったとか。

 金貸しときいた瞬間、嫌な予感がした。だけど、左足のことですぐにその予感は消え去った。

 ほんとうに葬儀なの? 
 というくらい人がいない。というよりか、赤の他人はわたしたちアッシュフィールド公爵家だけみたい。

 他にだーれもいないから驚きである。レッドメイン男爵家の関係者の姿も見えない。

 ちなみに、男爵家は、一族みんなで金貸し業を営んでいるらしい。

 今回亡くなった男爵が、その大元締めというわけ。