「なんだって? おれは、このまま腕を放してもいいけどな」

 そのキラキラ光る彼の美貌に、意地悪な笑みが浮かんだ。

 あ……。

 いま彼がわたしを解放すれば、わたしは確実に背中を地に打ちつける。

「ダメ、ダメよ。やめてちょうだい。お願い、起こして」
「ったくもう、世話の焼ける」

 コリンは、ブチブチ言いながらでもわたしの要望にそってくれた。

「挫いたようだな」

 クレイグがしゃがみこんで左足を見てくれた。