あの夜、わたしの部屋の外で様子をうかがっていたクレアに尋ねてみたけれど、かんじんなところをきくことが出来なかった。

「なにもあるわけがないだろう? きみは、傷ついていたんだ。それを無理矢理するなんてこと、おれがするとでも思うのか?」

 即答ではなかったけれど、コリンはほぼすぐに答えた。

 心からホッとした、と言いたいところだけど、どこか「そうなのね」と残念な気がしていることに自分でも驚いた。