確実に言えることは、コリンは信頼出来る。だから、彼がそう言うのなら間違いない。

「コリン、ありがとう」

 だから、素直にお礼を言った。

「どういたしまして」

 彼は、意外にも素直に謝辞を受け取ってくれた。

「そうだわ。ノーラ。あなた、声が、言葉が出たわよね」

 隣に座っているノーラに尋ねると、彼女はキョトンとした。

「思い出したの。さっきだけじゃない。サザーランド伯爵に鞭でぶたれたときも、ヘンリーといっしょに止めに入ってくれたわよね? そのときも『やめて』って叫んでいたわ」
「そうだよ。そうだよ、ノーラ。ぼくもきいた」

 ヘンリーが自分のお気に入りの席から飛んできた。

 そう。さきほども叔父に鞭でぶたれそうになったとき、ノーラは「やめて」と叫んだのだ。