「きみは、ほんとうに目が離せないな。『トラブル量産レディ』ってやつだ」
「失礼ね、コリン。トラブルを招くのとうっかりさんとは意味が違うわよ」

 コリンに噛みつくと、彼は苦笑した。

「だけど、それで叔父たちがよく納得したわね」

 ど厚かましい叔父たちが、それでよくひきさがったものだわ。

「そこはほら、駆け引きというやつだ。あるいは脅し、というものかもしれないが」

 コリンは、視線を合わせたまま嘯く。

 駆け引きにしろ脅しにしろ、あの叔父一家を納得させただなんて、よほどのことがあったのね。

 内容を知りたいとは思わない。コリンも気軽には教えてはくれないでしょうから。

 とりあえず、叔父一家がいなくなる。

 それだけでいい。