「わたしは、れっきとしたコリン・アッシュフィールド公爵の妻です。それ以上でも以下でもありません」

 きっぱりと嘘をついた。めちゃくちゃ堂々と。

 これはもう、だれがどう見ても公爵夫人にしか見えないだろう。

 と、断言出来るほどの宣言だった。

「そんなことはどうでもいい。かえってその方が都合がいい。金貨が容易に手に入るからな」

 なんてこと。叔父はすぐにわたしが公爵夫人であることを受け入れたけれど、その理由がやはりろくでなしすぎた。