クレアの勧めで、一日ゴロゴロしてすごすことにした。

 朝食兼昼食のサンドイッチとスープをいただき、自室へ戻った。

 クレアにそれとなくコリンとクレイグの所在を訪ねると、朝から街馬車を呼んで出かけたままだという。どこに行っているのかはわからないとも。

「旦那様は、朝までずっとついていらっしゃったのですよ」

 寝台の上でうつ伏せになり、この前図書室で適当に手にした小説をパラパラめくっていた。

 とはいえ、内容は頭に入ってこない。章タイトルでさえ。というよりか、文字を追う集中力がない。

 どうしてもコリンのことを考えてしまう。考えてはいけない。考えようにしよう。

 そう思えば思うほど、嫌がらせのように彼が心と頭に浮かんでくる。

 そんな状態だから、お茶とクッキーを持って来てくれたクレアの言葉にドキリとしてしまった。