「これまであったことを伯父に話し、然るべき対処をすべきだと説得をされたのです。それまでは話が大きくなることを怖れていたのですが、公爵に懇々と説かれ、どこまで出来るかはわかりませんが、戦う覚悟が出来ました。『息子さんの為にも、あなたが強くならなければならない』。公爵のその言葉が、わたしに勇気と力を与えてくれました」

 彼女は、しっかりとした声と表情で語り終えた。

 その彼女を見ながら、胸の痛みに耐えなければならなかった。痛み、というのかしら。モヤモヤというか張り裂けそうというか、そういった表現のしにくい感情に支配された。

 そして、それがなにかすぐに悟った。

 嫉妬……。

 そうに違いない。