「どうか頭を上げて下さい」

 だから、そう何度もお願いしてしまった。

「公爵夫人、ほんとうにありがとうございます」

 それは、伯爵夫人も同様である。彼女も息子のフランクも頭を下げまくっている。

「うちには医療や薬学に通じているメイドがいますので、無理をしなければもう大丈夫なのです」

 彼らに説明すると、三人とも目に見えてホッとしたようだった。