ヘンリーが恥ずかしそうに言うと、ノーラは美しい顔をブンブンと音がするほど左右に振った。

「ええ、ノーラ。わかっているわ。ヘンリー、わたしは『さすがはアッシュフィールド公爵家の嗣子ね』とか、『次期公爵ね』とか、そういう褒め言葉は嫌いなの。あなたの才能や頭のよさは、そんなものとは関係がないから。あなた自身の努力だと思っているから。だけど、アッシュフィールド公爵の後妻のわたしとしては、血のつながりはなくっても自慢の義理の息子であることにかわりはない。ヘンリー、すごいわ。それから、おめでとう。ハグさせてくれる?」