知識だって詰め込まなければならない。まずはアッシュフィールド公爵家の歴史、このホルスト王国の歴史。政治経済、ついでに雑学的なことまで。なぜか戦略戦術といったことも、何冊もの本を読まなければならなかった。

 まあ、アッシュフィールド公爵家は、社交界には縁がないけれど、軍には所縁の深い家柄らしい。そういう点では、戦略戦術も必要なのかもしれないけれど。

 同時に、体を動かす訓練もした。

 舞踏会の為のダンス。乗馬やクリケット。さらには、ナイフの使い方に護身術。

 ナイフや護身術の訓練は、公爵夫人としてというよりかは任務そのものの特性上、使用する場合があるかもしれないからである。

 ナイフや護身術に関しては、バーナードではなく傲慢男のコリンが教えてくれた。

 というよりか、ただわたしをけなしまくるというストレス発散の道具にされた。