「コンコン」

 そのとき、扉が控えめにノックされた。

「どうぞ」

 応じると、扉が少しだけ開いた。

「その、おばさ……じゃなくって母上?」

 顔をのぞかせたのは、ヘンリーとノーラだった。

「まあ、あなたたち。どうしたの? 入って入って」

 手招きすると、ヘンリーはおずおずと、ノーラは駆け込んできた。ノーラは寝台まで駆けてくると、クレアが場所を開けるのももどかしく飛びついて来た。