「ごめんなさい。自分でもそう思うわ。だけど……」
「奥様。ええ、わかっています」

 彼女は、寝台の側まで来た。そして、わたしが起き上るのに手を貸してくれた。

 あまり痛くない。

 クレア特製の薬のお蔭に違いない。

「無茶すぎる行動はいただけませんが、勇気ある行動には違いありません。わたしは、そんな奥様を誇りに思います」

 わたしの手を握る彼女の手はあたたかい。