「ノーラ、ほんとうに大丈夫?」

 わたしも尋ねずにはいられない。

 彼女は、大きくうなずいた。

「わかったわ。ヘンリー、ノーラとスイーツを取って来たらどう?」
「はい、母上。そうします。行こう、ノーラ」

 東屋のつくり付けのテーブル上にケーキやクッキーが並んでいる。

 ヘンリーに提案すると、彼はノーラをエスコートしてそちらへ向かった。

「では、わしは飲み物を取って来よう。ついでに用を足してきたいしな。ほら、年寄りは近くなるから」

 クレイグったら。どうも調子が狂うわ。

 彼が大広間へと戻っていくと、わたしはまだこちらを見ている貴族たちへと歩を進めた。

 せめて大人たちの目は、こちらに向けさせようという魂胆である。