何台もの馬車と並んだり追い抜いたり追い抜かされたりしながら、アッシュフィールド公爵家の馬車は軽快な感じで王宮へと走っていく。

 窓外に流れる景色は、どことなく気品と静けさが入り混じっている。

 王宮の正門で衛兵たちの厳重なチェックが行われ、やっと通過が許された。

 いったいどれだけの招待客がいるの? というくらい何十台もの馬車が検問待ちをしている。