「ヘンリー、失礼ね。わたしだって小説くらい読むわよ。ハードボイルドとか戦争物とか、男性が熱くバトルって感じのストーリーが大好きなの」
「ふう……ん。だったら、いつも実践しているよね?」
「そうね。わたしったらいつもムダに熱いから。って、なにを言わせるの」

 ヘンリーったらもう。せっかくいい子だと思っているのに、わたしを揶揄いまくるところはいただけないわ。

 ヘンリーは、クスクス笑っている。そして、ノーラもうれしそうに微笑んでいる。

 ノーラ、いい感じだわ。大分と表情が自然になっている。