「今朝は、街にドレスを見に行かれるのでしたよね?」
「ええ、クレア。ノーラのね。コリンたら、やたらと張り切っちゃって。もう少しわたしにも気を配ってもらいたいものだわ」

 最後の方は愚痴っぽくなってしまった。

 この仕事を請け負ってこの屋敷に来たときには、すでにクローゼットに必要な物は揃えてくれていた。

 不思議なことに、どの衣服や靴もサイズがピッタリだった。

 申告をした覚えはないし、身体検査をした覚えもないのに。